❶ 少なすぎる保育士の配置基準

静岡県での保育士による園児虐待事件のニュースは、保育所に我が子を通わせる多くのお父さん・お母さんたちに大きな不安を抱かせました。
岸和田市のお父さんが3人の子を2つの園に預ける際、2歳児を預けたと思い込み、車に放置して亡くなるという痛ましい事故もショッキングでした。
園児のクラス担任が「無届けの欠席」への連絡徹底がなされていたら防げたのでは? でも、現実の保育士さんは超忙しいのが実態です。

諸外国と比較すれば、日本の保育士さんの配置基準のお粗末さは歴然。
特に、活発に動き回る4・5歳児を「一人の保育士さんで30人も見守る」なんてとても出来ません。
諸外国に比べ、2倍以上の園児を見るこの国基準を変えさせないと!
しかも、保育士配置基準全体は54年前から改善なし
その中でも4・5歳児は75年前から全く同じ
子どもに寄り添う姿勢が国には一切ないのです。

❷ 保育士配置の独自施策を全くしない大阪市

各自治体で、独自に財源措置も行い、国の配置基準よりも改善し、保育士を手厚く配置している自治体もたくさんあります。
関東の各県や新潟など、大きく改善している市もあります。
同じ政令市である京都市や横浜市でも各年代で手厚く配置しています。
一方、現在の大阪市の配置基準は「国基準」から一歩も前進していない、自治体として独自施策の皆無な「政令市」と言えます。

大阪府の吹田市も枚方市も1歳児の6:1の基準を5:1としているのみ!
大阪市も同じく1歳児のみ6:1の基準を5:1でした。
しかし、2012年(橋下市長2011~15年)に、国基準(6:1)に改悪されたのです。

❸公的責任放棄の公立保育所の民営化

大阪の保育に関する大きな問題点のもう一つが、「公立保育所の民営化」が維新政治の主導のもと、急速にすすめられて来ていることです。
「保育・教育」「医療」「福祉・介護」などは国や各自治体が責任をもって施策を進めるべき分野です。何でも、「民営化、民間活力」のかけ声で進められる施策が、「大阪のコロナ死者ワースト1」や「子どもたちの不登校率の多さ」などの大きな問題点をつくってきています。

★「保育料の無償化」はもちろん大事。更に拡充を!
★安心して預けられる保育士さんの加配こそ、今大事!

子ども達にもう1人の保育士さんを!

保育士の配置の手厚さで言葉がけの回数が変わるとの実態調査があります。1歳児6人に1人の場合、言葉がけが最も少ない子と多い子の差は18.7倍! 最も少ない子はわずか3回のみ!

  • 働くお母さん・お父さんにとって保育園はすごく頼りになる存在。
    子ども達にとっても、同年齢や異年齢のお友達と毎日接し一緒に生活することは、健やかで豊かな成長を保障してくれます。でも、現実の保育園は子ども達の健やかな成長を保障するには、保育士さん達が忙しすぎます
  • 保育士さんをもっと増やすこと(国基準の引き上げ)や、各自治体の独自の保育士さんの加配が必要です。保育士さんの給料ももっと上げて、保育士さんが生き生き働ける職場こそ、未来を担う子供たちが健やかに成長できます。
  • 「園庭がない」保育園(城東区は43保育園中、10保育園が「園庭も屋上スペースもなし」)や、あっても狭い園庭しかない園も、、、。全ての園に子どもたちが安全に自由に駆け回れる園庭を、行政主導で作るべきです。近くの公園へ散歩させ遊ばせる工夫もしているが、子どもの安全確保に保育士さん加配は急務です。

【平和と民主主義をともにつくる会・大阪 事務所】
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