国の「認定」はカジノ問題を自ら露呈 「カジノNO!」の声を6.23国交省要請へ!(山川通信2023年6月号)

紫陽花の花が6月の雨に濡れ、青紫や赤紫など色とりどりに咲いています。梅雨時のじっとり蒸し暑い日々が続きますが、みな様、お元気でお過ごしですか。

国の「認定」はカジノ問題を自ら露呈 「カジノNO!」の声を6.23国交省要請へ!

◆住民合意なしの国の「認定」◆

4月14日、国土交通省は大阪の夢洲IR・カジノ整備計画を「認定」しました。大阪夢洲が全国で初めてカジノ構想の「巨大な実験場」になろうとしているのです。しかし昨年、大阪府民が『カジノ住民投票』を求めて集めた21万筆を超える署名に示された民意を無視した今回の「認定」は、断じて認められません。
維新の会は、大阪府知事・市長ダブル選挙(4/9)でIR・カジノの争点化を意図的に避けておきながら、当選したとたん「IRに一定の民意が得られた(吉村知事)」と得意のサギ的手法を使い宣伝。それに政府が選挙直後に、お墨付きを与える形で「認定」したのです。選挙の出口調査ですらIR・カジノへの賛否は拮抗(きっこう)しており、住民合意はありません。

◆課題に言及せざるを得ない「認定」◆

認定審査報告書によると「夢洲カジノ計画」は657.9点(1000点満中600点以上が合格)で、認定条件をわずかにクリアしただけ。「結果ありき」の出来レースと言えます。また6割の合格ラインにすら達していない3項目のうち「地域との良好な関係構築のための取組」については、以下のように記されています。
▸「区域整備計画の申請後に大阪IRに反対する団体等による住民監査請求、民事訴訟、署名活動等が存在している状況であり、地域住民との良好な関係構築に関しては課題が残る」

▸「一方向の情報発信にとどまらず、IR事業に否定的な人々も含む地域住民との間において、十分な地域との双方向の対話の場を設け、懸念の払拭を図る取組を求める」認定した国でさえ、「認定」条件として課題解決を求めざるをえないというお粗末な内容です(関連して「7つの条件」を2面に掲載)。なぜ「認定」できたのか?疑問だらけの結果です。

◆6.23国交省要請行動へ◆

政府の「認定」後の新聞各紙の社説は、「大阪カジノ認定 万博の理念にもそぐわない」(読売新聞2023.4.26)、「大阪のIR計画認定 カジノ推進に尽きぬ疑問」(毎日新聞 2023.4.15)、「大阪カジノ認定 懸念置き去り許されぬ」(朝日新聞 2023.4.15)と厳しく批判する論を述べています。
さらに、早期実現を熱望していた関西経済連合会の松本正義会長(住友電工会長)ですら、「すべてハッピーでない」「カジノ事業で(IRの)全体収益の8割を上げるとする計画に課題があるとの認識を示し、『脱カジノ化、収益構造の多様化』を求めた」(4/18「朝日」)とあります。
土壌汚染・液状化対策への公金788億円投入問題と青天井といわれる地盤沈下対策費問題をめぐる住民訴訟や、土地契約差し止めの新たな住民訴訟、南海トラフ地震のリスク、ギャンブル依存症問題など多くの問題は全く解決していません。

このまま夢洲カジノ誘致を進めることは、大阪府市の財政悪化を招き直接的な市民生活の破壊につながります。6月23日(金)、『大阪夢洲カジノ誘致計画の認定取り消しを求める6・23中央要請行動』に取り組みます。2030年のIR・カジノ開業にむけた工事や実施協定締結の過程で、問題点はさらに大きくなることは間違いありません。運動の力で夢洲カジノは中止できます。府民・市民の声を国や府市などに届け、「認定」撤回署名を粘り強く集めていきましょう。

【6月10日 山川よしやす】

【国土交通省が夢洲カジノ認定にあたり、付した7つの条件】

1.カジノ施設やIR全体の建築物のデザインについて、認定審査における特定複合観光施設区域整備計画審査委員会の意見が適切に反映されたものとなるよう今後の詳細設計・建設において十分留意すること。

2.特定複合観光施設区域の整備による効果の推計に関して、推計に用いる各種データ等の精緻化に取り組むとともに、その推計値の実現に向けた取組を着実に実施すること。また、国内来訪者が多数訪れる計画であることを踏まえ、特に外国人来訪客の増加に向けたプロモーションと集客の実施に取り組むこと。

3.特定複合観光施設として長期的に安定した運営を確保するため、カジノ事業の収益を十分に非カジノ事業へ投資すること。また、特定の国籍等客層に偏ることなく、幅広い来訪者が訪れるような集客の実現に取り組むこと。

4.特定複合観光施設区域における地盤沈下については、継続的に沈下量計測などのモニタリングを実施するとともに、想定以上の沈下が進行した場合などの対応について十分検討しておくこと。液状化対策については、今後の対策工法等の詳細及び対策範囲の確定に当たって不十分なものとならないよう検討すること。土壌汚染については、仮に今後新たな事象が判明した場合に備えて対応策を幅広に検討しておくこと。

5.地域との十分な双方向の対話の場を設け、地域との良好な関係構築に継続的に努めること。

6.十分な依存防止対策のための措置を規定する特定複合観光施設区域整備法(平成30年法律第80号)の制度趣旨を踏まえ、日本人の依存防止対策を始めとして実効性を持って取り組むこと。また、ギャンブル等依存が疑われる者の割合の調査を行い、その結果を踏まえ実効性のある依存防止対策を定期的に検証し、大阪府・大阪市及び設置運営事業者が連携・協力して必要な措置を適切に講ずること。

7.前各項に掲げるもののほか、魅力増進施設を始めとする各施設のコンテンツ等について日本らしさを求める意見など、認定審査における特定複合観光施設区域整備計画審査委員会の意見を十分に踏まえ、必要な充実を図りつつ区域整備計画の着実な実施及び適時必要な見直しを行うこと。
                         (注:下線および太字は引用者が加筆したもの)

問題山積の夢洲カジノ! 「認定」はおかしい、「撤回」だ!

4:夢洲の土地問題。地盤沈下問題、液状化問題、土壌汚染問題などこれから工事が着手すれば
更に問題が大きく浮かび上がるだろうし、その工事負担を大阪市民の税金でまかなうなど、と
んでもないことだ。(松井前大阪市長は790億円もの土壌対策費を大阪市が担うと公言。)
5:地域との「良好な関係構築」ができていない(審査結果27.1点/50点満点➡1000点換算に
すると542点で、この項目は不合格!すべての審査項目で542点は最低の評価
。)ため、「双
方向の対話の場」を設けるように注文をつけている。府民市民は合意などしていない、府市に
対しまともな説明の場を要求していこう。
6:依存症対策、依存防止対策など実効性ある取り組みの必要性を指摘。だが
一番の対策はカジノ(ギャンブル施設)を作らないことであるのは明白な事実。

とりくみ案内

ZENKO大会って何? 7月2日(日) プレZENNKO大会 企 カジノNO! 大阪集会

10:00~12:00 @LAGセンター(大阪市蒲生1-6-21)2F会議室

▶夏のZENKO大会、今年は神奈川県横須賀市内で開催(7/28~7/30)されます。(大阪の天満橋「エルおおさか」で、リモート会場も予定)

▶7/2プレZENKO大阪集会ではカジノ認定の問題点や、6/23国交省への要請行動の報告など、カジノ問題学習と中止への取り組み交流論議。

▶平和の取り組み(「沖縄、再び戦場(いくさば)へ」三上智恵監督スピンオフ作品上映計画)など取り組みを交流。

★署名2種類にご協力を!

❶ 大阪府市へ➡・カジノ誘致を撤回せよ。

❷ 国&国交省へ➡カジノ認定を取り消せ。

報告 ZENKOスピーキングツアー5/27➡6/4  全国8都市で開催!

ゲストスピーカーは沖縄の各島々から現地の闘いをZOOMで熱く語られました。

上原正光さん(基地いらないチーム石垣)
★山城博治さん(戦争に反対する全県組織立ち上げ準備委員会呼びかけ人)
★宮城英和さん(うるま市島ぐるみ会議
★城村典文さん(戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット代表)
★奥間政則さん(沖縄ドローンプロジェクト
★和田香穂里さん(前西之表市議会議員)
★具志堅隆松さん(沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)
清水早子さん(ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会共同代表)

最終日6月4日大阪集会。ゲストの清水早子さんは宮古島から来阪されて豊富なパワポ資料を示し、宮古島がミサイル基地化されようとしている様子と、それを阻止しようと闘う様子を語られた。

『2021年11月の弾薬搬入阻止の闘いは、早朝30人から40人が雨中、道路に寝そべって車両を止めた。その2倍から3倍の機動隊員に排除された。「弾薬は入れさせない。全員、逮捕されることも覚悟し、身辺整理をして臨んだ」抗議のスタンディングは2000日を超えた。』(「週刊MDS新聞」1776号5面より)


左端の人が清水早子さん
「あじさいの花」に一言メッセージを書いて、連帯の気持ちをこめたバナーを山川会のスタッフから贈呈。

【集会参加者の感想】

★島中いたる所に基地ができ、基地に挟まれて生活を強いられている状況がよくわかった。(O)

★想像よりすごいことになっている。地対艦ミサイルの配備すごくあってびっくりした。(Y)

報告『沖縄、再び戦場(いくさば)へ』

三上 智恵監督 最新作45分、スピンオフ作品(本作品は2024春 完成予定)

5/12&5/13 上映会(LAG(ラグ)センター)

感想の一部紹介

戦車が堂々と公道を走る時代が来たのか?!誰もが願う平和、安心して暮らす島にするため、我々も一緒に頑張ります。【H】

宮古島に自衛隊が配備されていることは、私の友人も知っていましたが、まさかミサイルの配備や弾薬庫、シェルターのことなど知らないことばかりで、驚愕し深い悲しみとともに憤りを感じました。まさに戦争前の雰囲気です。 【M】

《 Mさんは5/13上映会で視聴され、友人にも知らせたいとDVD借りて視聴会をされました。》

DVDは三上さんより無料で借りられます。少人数でも上映会企画を!

どなたでもご参加ください

1 水よう定例会 毎週水曜日 19:00~21:00 @山川よしやす事務所

※定例会テーマは変更になる場合もあります。ご了承ください。こんなテーマ希望大募集!
・6/14(水)カジノ「認定」の問題点 学習会
・6/21(水)維新の「教育無償化」は大阪の教育に何をもたらす?
・6/28(水)「京橋フードパントリー」報告から行政へ要求を
・7/5 (水)介護問題学習会 行政へ要求を

2 6月-7月 の取り組みへご参加を!

★ZENKO 実行委員会★
6/18(日)14:00~16:00@LAGセンター2F(城東区蒲生1-6-21)

▸5~6月スピーキングツアーまとめ
▶7/29-30横須賀ZENKO大会についてなど
❶ 6月23日(金)「国交省要請行動」
13:00~17:00(12:30衆議院第2議員会館前集合)
《呼びかけ:カジノ問題相談会》
国会議員要請・国土交通省要請・院内集会 など

❷ 6月24日(土)「夢洲カジノを止める会 全体会議」
14:00~16:30 @PLP会館(天神橋3-9-27)

❸ 7月2日(日)プレZENKO企画「カジノNO!集会」
10:00~12:00 @LAG(ラグ)センター(参照:3面上段に内容 掲載)

❹ 7月20日(木)ワンディ・アクション(予定)
カジノや教育、介護、生活困窮対策など、大阪府市・行政に要求の声を届けよう。

3 その他「山川会」の取り組みなどにご参加ください♫

▶月曜 午前➡区役所前 ▶水曜・金曜 朝の辻立ち➡各駅頭

▶水曜 夕方 ・ 金曜 昼前➡各スーパー前

※今は カジノ「認定」取り消しを!という署名(国と府市2種類)を中心に取り組んでいます。(詳細は森まで 090-3275-7312)

いつも山川通信をお読みくださり、大変有難うございます。「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」(愛称:山川会)は年会員を募っています。

(年会費:1,000円)希望される方は配付スタッフまたは事務所(06-6936-3073)まで。

山川通信

2023年6月 第92号
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